commonplace 2
ドリーム小説 「つかれたー」
好奇心むき出しの視線と質問攻撃から開放されたは、夕焼けの道で大きく欠伸をした。
「大変だったね」
そんなを横を歩くアレルヤはくすりと笑って、片割れに内心で申し訳なく思った。
ちなみにハレルヤは、今バイト中だ。
本当はと帰りたいのだろうけど、プラドの高いハレルヤのことだから自分から時間を空ける事はしないだろう。当分紗希と帰るのはアレルヤになりそうだ。
「転入生は大変だね」
「みたいだね」

まったく私は珍獣じゃないよう
動物園のうさぎみたいだったよ
うさぎって…
え?
いや、相変わらず発想がかわいらしなー

「と」
バイブ音を出して震えた携帯に、は慌ててカバンに手を突っ込んだ。
携帯を苦労して取り出す。と、画面を見たがふわりと笑って、アレルヤははっとした。
「あースーパーって近くにある?」
「え、うん。おつかい?」
「買い忘れだって、めずらしい」
アレルヤは少し来た道を戻って、学校から一番近いスーパーへとを案内する事にした。店が近付いてくると、はああ!と声をあげた。
「昔三人でお使いに来た」
「うん。…えっと確か、お菓子と小松菜と牛乳を買いにね」
「今思えば変な組み合わせだったね」
店に着くと買うものは頭に入っているのだろう、カゴを片手には野菜売り場へと向った。少し迷って、ブロッコリーをカゴに入れてそこから離れる。
「マヨネーズは…」
「そこ」
「あ」
棚と向き合ったは、にやりと笑って、2分の1と大きく書かれたマヨネーズを手に取った。
「他は?」
「これで終わり」




とレジを済まして外に出ると、思ったより日が傾いていた。
アレルヤが送ろうと言う前に、のほうから大丈夫だと帰ってきた。
「そういえばどこに引っ越したんだっけ」
「うーん…大きい狸のいる古い米屋さんってわかる?」
アレルヤの頭の中に、黒くて大きな狸の置物が浮かんだ。
「ああ、おばさんがしてる」
「うん、そこの近く」
「やっぱり送るよ」
「いや、いいって」
返事もする間もなく後ろを向かれれば、仕方がないなと諦めるしかない。でも何となく変だとアレルヤは思った。
「あ、今日はありがとう!」
問題になるとしたら弟の方だった。




「ただいまー」
ドアのチェーンを閉めて、靴を脱ぎながら買ってきたものを彼―アッシュに手渡す。
「ハーフ…」
「味変わらないんだもん」
「…………そうだが」




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